事故は未然に防ぐことが重要ですが、実際に事故が起こった場合に大きな波の中や強い流れの中で人を救助してくることはそう簡単なことではありません。時には一度に数人が溺れ、救助を繰り返さなければならないケースもあるのです。そのためにライフセーバーは日頃からトレーニングをかかさず、救助に必要な技術を磨いています。そしてその成果を競い合うことでより高めていこうと開催されているのがライフセービング競技会です。 ここでは世界連盟が認める競技種目を紹介します。
海岸を120メートル走り、120メートル沖にある9つのブイを泳いで回り、また海岸を120メートル走る
ライフセービングの基礎的なトレーニングのひとつにもなっているラン・スイム・ラン。一見それほどハードな競技に思われませんが、実は各選手が最もきつい競技と口を揃える種目です。溺者に最も近い位置まで走り、泳いでレスキューをし、溺者を引き上げるというレスキューの基本の動作を競技にしたもです。
220メートル沖合に設置したブイをスイムとパドルボードとサーフスキーでそれぞれ往復する
全日本選手権等で実施されるアイアンマンレースは世界選手権で行われるショートタイプのもの。 200m沖合いの設置したブイをスイムとバドルボートとサーフスキーでそれぞれ往復します。
パドルボードで250メートル沖の3つのブイを回って帰る
パドリングの速さだけではなく、レース当日の波のサイズや風の強さにも非常に影響を受けるので、コンディションの悪い会場では選手の実力の差が明らかになります。実際の救助では、スイム同様パドルボードのスピードも重要な要素となってくるので、ライフセーバーにとってこのパドルボードのトレーニングは欠かせません。
サーフスキーで300メートル沖の3つのブイをパドルをこいで回り、ゴールする
サーフスキーは、シーカヤックやウエイブスキーなど海のカタック系の乗り物では最速のものの一つです。元は救助活動に使っていましたが、競技用に改良され現在の形になりました。スピードは出ますが、5.8メートルの長さは大きな波の中では最も扱いにくい器材でもあります。それゆえ、大きな波に立ち向かう姿は圧巻。
海岸で90メートルを走る
柔らかい砂を走る場合、蹴った力が砂に吸収されてしまうため、強く蹴り出すより大きく前に足を運ぶことが必要で、陸上とは走り方が違う。また、海岸によって砂質が違うのも選手は計算しなければなりません。
海岸で後ろ向きにうつ伏せになり、20メートル離れた地点に競技者より少なく置かれたホースチューブを取り合う
最近ではお馴染みとなったビーチフラッグス。おそらくライフセービング競技の中で最も知名度のある競技でしょう。
2km BEACH RUN 2kmビーチラン
海岸で500メートルのコースを2往復する
大きな海岸で救助に向かうのに数百、メートルを走って移動してから海に飛び込むこともあります。この競技はこのような浜で走ることをトレーニングするために生まれた競技です。泳ぐだけではなく、走る力もライフセーバーには必要となります。
4人が海岸で90メートルの直線を競争。トラック競技とは違い、行き違いにバトンを渡す
ビーチリレーはバトンの受け渡しが特徴で、行き違いにバトンを渡します。受け渡しではスピードを殺しつつ、バトンを受け取ったらすぐにトップスピードにあげるのがポイント。そして、チームワーク。足の速い選手が4名揃わなければならないので、層の厚さも勝利の必要条件です。
溺者の選手が120メートル沖のブイまで泳ぎ、次いで救助者がパドルボードで向かい、救助して海岸に連れて帰る
レスキューボード・レスキューレースでは、波に巻かれてボードを離してしまった場合は失格となります。また、溺者役の選手がブイにたどり着いて手を挙げることを確認してからレスキューに向かわなければならないので、溺者の確実な確保サインを認識する判断力も必要な、まさに本番さながらの競技です。
溺者の選手は120メートル沖のブイで待機し、救助者がレスキューチューブを使って、泳いで救助してくる
実際の救助を競技化したレスキューレースは、このレスキューチューブを使ったものとレスキューボードを使ったものがある。レスキューチューブ・レスキューレースは救助役の選手からアシスタント役の選手がどのタイミングで溺者を引き継ぐかがポイント。ゴール前の波打ち際の坂を駆け上がる姿は迫力です。
アイアンマンレースと同じコースをスイム、パドルボード、サーフスキーを3人の選手がリレーする
アイアンマンレースと同様にタップリンリレーレースでも大会前日のくじ引きでレースの順番が決まります。各種目にはそれぞれチームから得意な選手が出場しますが、競技順によってレース展開が大きく変わってくることがあります。また、波の高さ、潮流の速さ、向き、風の方向など数々の自然条件も順位に大きく影響を及ぼします。
2人1組で、心肺蘇生訓練人形を使い、人工呼吸と心臓マッサージを行う。3分間でどれだけ正確にできたかを審査する
ライフセーバーは走って泳ぐだけではなく、CPRの技術を身につけることも重要です。実際の現場では1時間以上もCPRを続けることもあり、CPRの実施には体力も必要です。また、呼吸や脈の停止した溺者には救助後継続してCPRを実施することもあります。
50m Saving Dymmy 50mマネキンレスキュー
100m Saving Dymmy with Fins 100mマネキンレスキュー
足ひれを付けて50mを自由形で泳ぎ、ターン側の水底に沈んでいるマネキンを引き上げ、残り50mをマネキンを抱えて泳ぐ。
100m Combined Rescue Medley 100mレスキューメドレー
50mを自由形で泳ぎ、続けて20m(女子は15m)の潜水をし、水底に沈んでいるマネキンを引き上げて残りの30m(女子は35m)をマネキンを抱えて泳ぐ。
200mSwimming with Obstacles 200m自由形障害物レース
スタート側及びターン側の壁からそれぞれ12.5m地点に設置された2ヶ所の障害物の下を潜り抜けながら200mを自由形で泳ぐ。
スタート側及びターン側の壁からそれぞれ12.5m地点に設置された2ヶ所の障害物(深さ70cmのネット)の下を潜り抜けながらそれぞれ50mを自由形で泳ぐ4人のリレー。
1分30秒の間にプール内にいる溺者、患者の救助、応急手当てを行い、その正確さ、早さを審判の採点により競う4人チーム競技。
1人のレスキュアー(救助者)が12m離れた地点にいる3人のペイシェント(溺者)に対し、救助用のボールを使って救助をする早さを競う。但し、2分30秒以内に3人を救助できない場合は失格となる。
第1競技者は50mを自由形で泳ぐ。 第2競技者は足ひれを付けて50mを自由形で泳ぐ。 第3競技者は足ひれを付けないでレスキューチューブを肩に掛け50mを泳ぐ。 第4競技者は足ひれを付けて肩にレスキューチューブに第3競技者を両手でつかまらせ、それを引いて50mを泳ぐ。
第1競技者は足ひれを付けて50mを自由形で泳ぐ。 第2競技者は足ひれを付けて50mを潜行した後、水底に沈んでいるマネキンを引き上げ第3競技者に引き渡す。 第3競技者は足ひれを付けないでマネキンを抱えて50mを泳ぎ、マネキンを第4競技者に引き渡す。 第4競技者は足ひれを付けてマネキンを抱えて50mを泳ぐ。